通電を保持してタイマーでスイッチオフする回路
ラズパイ使ってIoT水耕栽培を作成途中の寄り道的なお話。
ラズパイ使えば制御的にはなんでもありなんですけど、全ての場面でラズパイのシステムを置くにもお金がかかるし、そこまでしなくても簡単な制御くらいならその辺のパーツ組み合わせて作れるべ、と考えました。
例えば、給水タンクに蛇口付けてお水を使う、タンク内には「浮き(フロート)」が仕込まれていて、水位が下がったらフロートがボタンを触るなりして通電する、ポンプがタンクに給水をする、水位が十分に上がればまたフロートがスイッチオフする。
こういう古典的なシステムを考えてみることにしました。
こんくらいラクショーだべ、と思っていたら結構大変、電気は難しい。
(製品のタイマー使わないから難しい、という意味です)
まず、フロートがタンクの水位に連動してボタンに触る、という考えなわけです。
(ちなみにフロートスイッチという便利な製品があるので、こういう用途には是非使いましょう)
スイッチにも色々と種類がありますが、押した間だけ動作するものがあるのと、切り替え式に動作するものがありますよね?
フロートがスイッチを作動させることができるのは一瞬というか一回というか...
「押している間だけ」式スイッチならポンプが通電して水位が上がればすぐに通電が解除されるじゃないですか、タンクを満水に出来ません。
「切り替え式」ならポンプが通電しぱなしになりますが...タンクの底でオンのままになったスイッチを誰がオフ状態に戻すのよ? という話
↑ よく考えたら階段の上と下に設置するスイッチの配線方法にしたら良いのか、書きながら気づきました。 でも防水してある切り替え式スイッチってあるのかな?
それに、万が一ポンプが水をくみ上げることが出来なくて、水位が変わらずポンプが作動し続けたら...
たぶん発火です。ようやく、水位うんぬんはともかく保護タイマーが必要だ、という考えに行き着きました。
さて、ようやく実践。
タンクの底のフロートスイッチが作動するのは一瞬だけ、スイッチを離しても通電を保持する仕組みには「リレー」という部品を使います。
↓ リレー
昔ながらの部品です。かっちょいい。
ある端子2つに電気を流すと別の端子が通電する、というかなんというか。
リレーの使い方に「自己保持」という配線方法があるので、これを使うと「ボタンを一回押すと通電し続ける」という状態が作れます、通電を解除するには解除用のボタンを設けます。
フツーはリレーだけで自己保持の配線をするのですが、タイマーでスイッチオフする、という目的があるので、リレーからタイマーへ電気を供給し自己保持回路にタイマーを入れ込みます。
↓ タイマー回路
〇で囲ったICチップがタイマーIC555です。とても有名な製品らしい。
抵抗やらコンデンサの値によってタイマー機能をコントロールします。今回はポンプの通電時間ですから、5分~10分くらいを確保する。
リレーから電気をもらって、タイマーが動作し始め、時間が来たら電気を流さなくなるので、今度はこれでリレーの自己保持状態を解除する、という考え方になります。
さて、この回路から電気をもらってポンプなりを作動させたいのですが、ここまで12V程度しか扱っていないので、100Vの機器は動きません。
そこで以前紹介したソリッドステートリレーをかませて、100Vを通電します。
最終的にはこういう見た目に ↓
では実験。
始動ボタンを押します。(実際はタンク底に設置したフロートスイッチで通電)
リレーがカチッと通電し、タイマーICに電気が通りました。
↓ 指が離れていても通電している。
↓ 通電しているリレー。中の金属片が閉じていることが分かります。
↓ その先のソリッドステートリレーへ通電し100Vの電球が光りました。
やがてタイマーが切れて、リレーの自己保持状態が解除されます。
めでたしめでたし。
なんというか、一度通電したものをタイマーで切る、という仕組みですね。
タイマー時間は長めにして安全対策として使い、解除スイッチは別途設けておくと、水位が上がれば解除、ポンプが詰まったりで水を吸い上げなくてもタイマーで解除、という感じで使えます。
まぁ、皆さんは高くても普通にタイマー買いましょう。
おしまい