ディーゼル耕運機いじり クラッチ編
ラジエーター修理の前回から、ディーゼル耕運機いじりクラッチ編。
切れないクラッチ、めちゃんこ危ない。
耕運機操作の安全面で一番大切なのがクラッチ操作。
耕運機を始動する時、クラッチを切ります。
シフトチェンジをする時、クラッチを切ります。
耕運機を止める時、クラッチを切ります。など
とにかく動作をするたびにクラッチを切るのが鉄則なので、壊れている状態など言語道断です。
修理するしかない。
まずはVベルトを外して修理しやすいように。
これがクラッチ盤。あ、クラッチ盤についてたボルトも6つ外してあります。
さぁ、こっからどうすっぺなぁ...構造も何もわかりません。
適当にいじってもっと壊れてしまうのだけは避けたい。重すぎて運べないし、修理できる人を見つけるのだけで大変そうだもの。プロに頼めば出張+工賃で4~6万と見たね。
そこで観察。
クラッチレバーを引いて、切った状態にすると裏側の部品が押されます。
グリリっとすごい圧力で真ん中の芯が伸びて、ボルトで止まっている青い腕を押します、するとテコが効いているのか腕の外周側が釣られてズズっと動きます。このあたりにクラッチ動作の秘密があるのでしょうが...
どうせ中で固着してるんだから分解清掃、とりあえず抜き取るべ、と中心のボルトを外しにかかるも固すぎて歯が立たず。
仕方なくボルト穴から洗浄剤などを流し込む。
これで固着が取れてくれたら楽なんだけどなぁ...
悪戦苦闘していると、その時はついに来ました。クラッチを切った状態で真ん中のボルトを外そうと力んだところ...ズリリっと芯だけが回ったではありませんか、円盤部分は空転です。
これや! これがクラッチ切れた状態なんや! と歓喜し、いやぁめでたし、と6つのボルトを戻して再度動作確認でクラッチを切った状態にしたら...ダメなんですよねぇ。なんで?
周りのボルトをつけると、クラッチ切れない。外すと切れる。
ちなみに、クラッチ内部には円盤がはいっていて、その円盤には半円の切り欠きがあります、ここにボルトがフィットしてその円盤を固定する仕組みになっている(ボルト穴から観察しました)。実はそれより小さい円盤も確認済みで、これはボルトと緩衝しない中心に近い位置におさまっている。
つまり、大きい円盤はボルトを締めた状態でガッチリフィットする設計、クラッチをつないでいようが切っていようがそれは変化しないはず。ボルトを外してしまえば当然ズリズリと動いてくれたわけですね。
小さい円盤は、クラッチを切った時には大きい円盤との密着が外れ、大きい円盤は中空状態、小さい円盤は回転し続ける状態になるはず。
現状は、外周のボルトを外してクラッチ切れば空転させることが出来るが、大きい円盤の切り欠きが動く → たぶん小さい円盤と固着しているから? それともボルトがないとそういう風になる?
ボルトを締めると、空転すら出来なくなる → 小さい円盤と分離が出来ていないから、固着しているから?
洗浄剤も流し込んだし、かなりの力で芯を回したり打撃を与えたりした...あ、チョ、マテヨ。
そしていよいよ解決へ。最後のカギはこいつらでした。
クラッチ盤裏側の青の腕3本です。これが「正しく動作」しているかの確認はしていなかった。
一応3本ともそれらしく動いてくれてたので良しとしていましたが、改めて緩めて、位置を見直し、キチッと締め直しました。
はい、無事解決です。ちゃんとボルトを全て締めた状態でもクラッチが切れるようになりました。
でも、なんだろうなー。固着していたのか、腕の調整が良くなかったのか...
分解できなかったのでそれは不明だし、クラッチの動きも結局細かくはわからなかった。
明らかに古いタイプのクラッチだし、調べてもドンピシャのが出てきません。
まぁ直ったし、もう壊れないだろうからいいんですけど。
それにしても疲れた。
おしまい